東郭先生と狼
十三世紀の明代の馬中錫が著した《東田伝》に『東郭先生とオオカミ』がある。
“東郭先生”と“中山のオオカミ”は、中国では有名な話らしい。
かって「中国語Ⅲ」でも取り上げられていました。
“東郭先生”では、無意味なお人好しを正したもので、是と非を区別できず同情心は災難を呼び込むことを嗜めております。
また、
“中山のオオカミ”では、受けた恩を仇で返すという蔑んだ道徳心の無さを戒めております。
中国の儒教に始まる多くの教えは、日本に辿り着き、今では根付いて日本の心となっていますが、本家本元の中国では根付かず、昔のままであります。
孔子様も草場の影で泣いていることでしょう。
『東郭先生 と 中山のオオカミ』
「ある融通が悪く、読書に没頭し、頭が非常に固い東郭先生という書生がいた。ある日、東郭先生はロバに乗って、本のつまった袋を背負い、就職のため“中山国”という地に向かっっていたが、不意に傷を負った一匹のオオカミが彼の前に現れ、「旦那さま、わたしは猟師に追われていおり、猟師の矢にうたれ死にかけています。わたしを救うため貴方のその袋に入れては頂けないでしょうか。このご恩は将来必ずやお返しします」と願い出た。もちろんオオカミは人間に害を加える動物であることを東郭先生も知っている。しかし目の前にいるこの傷を負ったオオカミを可哀相に思い、少し考えてから「それでは猟師を怒らせてしまうでしょう。しかしお前がわたしに願い出たからには、必ず助けてあげよう」と答え、彼はオオカミに体を小さくさせて縄で縛り、本の入った袋に入れた。
まもなくオオカミを見失った猟師がやってきて、「オオカミを見なかったかい?どこに逃げたんだろう?」と東郭さんに聞く。「見ませんでしたよ。この付近には分かれ道が多いから、オオカミはほかの道で逃げたかもしれません」と東郭さんがこれに答えた。猟師はその言葉を信用してしまい、ほかの方向へと追っていった。こちら袋に入っていた狼は猟師の遠ざかる足音を確認し、「お願いします、わたしを外に出して、逃がしてくださいまし」と再び願った。心のやさしい東郭先生は狼の言葉に惑わされ、狼を袋から外に出してやった。ところが、狼は外に出るなり「旦那さまは善事をしてわたしの命を助けて下さった。いま、わたしは非常におなかを空かしているので、もう一度善事をしてあなたを食べさせてくださいな」と東郭先生に吼えて襲いかかった。
東郭先生は狼と戦いながら、「恩を仇で返すなんて!」と叫び続けた。このとき、鋤を持った一人の農民が通りかかったので、東郭先生はその農民を引きとめ、自分が狼を助けたが、オオカミは恩を仇で返し、自分を食べようとした経過を話した。だがオオカミは東郭先生が自分の命を助けたことを一切否定した。しばらく考え込んでいた農民は「貴方たちの言葉は、とちらも信じられません。こんな小さな袋にこの大きな狼が入るとは思えない。この目で確かめたいので、もう一度やって見せてください」と言い出した。これに狼は同意し、またさっきと同じく横になり、体を縮め、またも東郭先生に縄で縛らせ、もう一度袋に入ったとたんに、農民は袋の口も堅く縛り、「このようなケモノは自分の本性を変えることはない、貴方は狼に慈悲を施すなんて、バカなことをしたね」と東郭先生にいい、鋤を振り下ろして狼を殴り殺してしまった。ここでやっと気付いた東郭先生は、自分の命を助けてくれた農民に心から感謝した。」
东郭先生和狼 (中国寓言故事)
在好多年以前,有个教书的老先生叫东郭先生。
有一天,东郭先生骑着一头小毛驴在大路上走,毛驴的背上驮着一个口袋,
口袋里边装着好些书。
东郭先生骑着毛驴正走着呢,忽然,一只大灰狼慌里慌张地朝东郭先生跑过来。
东郭先生一看见大灰狼,吓得腿都软啦。
他想:「哎呀,大灰狼准是来吃我的!」 想着,东郭先生打着小毛驴就要逃跑。
可是,大灰狼跑到东郭先生的面前说:
「老先生,您别跑,也别害怕,我是一只不吃人的狼」
东郭先生一听,站住了: 「你,你真的不吃人吗?」
「真的,我真的不吃人!」
「哎,你为什么这么慌里慌张的呢?」
「老先生,猎人在后边追我,要打死我。您快救救我吧!」
东郭先生抬起头,朝大灰狼跑过来的方向一看,
远处真有一个骑着马的猎人正朝这儿跑呢。
大灰狼更着急了: 「老先生,您行行好,快,快想办法救救我吧。
我永远永远也忘不了您对我的好处!」
说着,大灰狼的眼泪都快流下来啦。
东郭先生一看大灰狼这副可怜的样子,心想:
「这只狼大概真的不吃人,我就救救它吧!」
东郭先生赶紧从毛驴背上跳下来,把口袋里边的书倒在地上,
叫大灰狼赶快钻到口袋里去,还对它说: 「你在里边千万别乱动啊!」
接着,东郭先生把口袋扎好,放在地上。
为了不让猎人发现,东郭先生就坐在口袋前面,假装看书。
不大一会儿,一个猎人骑着马来到了东郭先生面前:
「喂! 请问老先生,你有没有看见一只大灰狼从这儿跑过去呀?」
东郭先生抬起头儿来说: 「没有,没有,我只顾看书,根本就没看见什么大灰狼!」
猎人看见东郭先生身后边的那个口袋,就问:
「老先生,你的口袋里边鼓鼓囊囊的,装的是什么东西呀?」
东郭先生一听连忙说: 「那,那里边装的都是书。唉! 那只大灰狼会不会从别的路逃走了?
你赶紧上别处找找吧!」
猎人听了东郭先生的话,就骑着马追狼去了。
等猎人走远了,连 「嗒嗒嗒」 的马蹄声也听不见了,东郭先生这才长长地出了一口气。
他从地上站起来,把口袋解开: 「喂,大灰狼,猎人走远了,你也赶紧走吧!」
哪知道,大灰狼从口袋里爬出来以后,伸了伸懒腰,打了个哈欠,把两只凶狠的眼睛一瞪:
「老先生,谢谢你救了我。不过,你既然救了我,就救到底吧!」
「哎! 大灰狼,我救了你的命,还不算救到底呀?」
大灰狼吧达吧达嘴,龇着大长牙说:
「这会儿,我简直都要饿死了,你要是救我救到底,就应该让我把你吃了!」
东郭先生—听,又害怕,又生气: 「你这个坏蛋,怎么这样不讲理呀,我救了你的命,
你不报答我,反而要吃我! 你,你刚才不是说,你是一只不吃人的狼吗?」
「嘿嘿! 刚才,是为了让你救我的命,我才那么说的。
你想,天下哪有不吃人的狼呢? 来吧,还是让我吃了你吧!」
说完,大灰狼龇着牙,咧着嘴,冲着东郭先生,「忽」 地一下扑了过去。
东郭先生吓得赶紧躲到小毛驴背后,拼命地喊: 「救命啊! 救命啊!」
正在这个时候,有个农民听到有人喊救命,就扛着锄头,急急忙忙地跑过来。
东郭先生一见那个农民,连忙拉住他的手说:
「老哥啊! 我是东郭先生。刚才,猎人追这只狼,我让它藏到口袋里边救了它的命。
这会儿,它反而要吃我。你,你说该吃不该吃呀?」
大灰狼也说: 「不对,是他把我骗到这个口袋里去的。他哪想救我呀,他是想害死我!」
那个农民听了他俩的话,想了想说:「你们俩的话,我都不相信。这么个小小的口袋,
怎么能装得下那么大的一只狼呢! 喂! 我说大灰狼,你让我看看你是怎么钻进口袋里去的,行吗?」
大灰狼一心想吃东郭先生,说了声: 「好吧!」 就又钻到口袋里边去了。
那个农民等大灰狼把整个身子都钻到口袋里去以后,马上把口袋扎得紧紧的,说:
「好啦,现在,让我们把这条恶狼打死吧!」
大灰狼在口袋里边听了,又装出一副可怜相说: 「放了我吧,我再也不吃人了!」
农民说: 「你这个恶狼,我们再也不上你的当了!」
说着,举起锄头,狠狠地朝口袋打下去,一下! 两下! 三下! 终于把大灰狼打死了。
这时候,农民对东郭先生说: 「东郭先生,你现在知道了吧,不管什么狼,都是要吃人的。
我们绝不能看见狼装出一副可怜相,就以为它不吃人了」
东郭先生连连点头说: 「对,对! 这回,我可知道了,狼,总是要吃人的。
以后,我再也不上它的当了!」
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