月畢(ひつ)に離(かか)りて
雨がしとしとと降るたびに寒さが厳しくなり、その風が身に沁みます。
朝、戸を開けて、路面が濡れているのを見ると、『月畢に離り』と呟いてしまいます。
『詩経』の小雅にある「周代の武人の行路難」を歌った中に、『月畢に離り』と書かれております。
武人は余りの苦しい行路難に嘆き、宙(そら)を見あげては、月が『畢』(ヒヤデス星団)に離り(掛かる)のを見て、滂沱(ぼうだ)〔雨の降りしきるさま〕するのかとさらに嘆いております。
「漸々の石新れそれ卒(けわ)し、山川悠かに遠し、いつかそれ没(つ)きなむ、武人東を征(ゆ)きて他に遑(いとま)あらず。
豕あり白き蹄ありて、もろもろ波を涉(わた)る。月畢に離りて滂沱(ぼうだ)たらしめんとす。武人東を征きて他に遑あらず。」
『畢』(ヒヤデス星団)は、おうし座アルデバランのすぐ横にあり、おうし座が天空に輝くのは、秋から春に掛けてです。
雨が降るたびに寒さが厳しくなる季節です。
月が畢宿(ヒヤデス星団)に掛かると、翌日は雨が降るという古くからの言い伝えがあり、武人は月を見て嘆き、私は路の濡れを悟って、月を思った訳であります。
そう思ってで星図を見ると、月畢が11月28日に離(かか)っていたりします。
もうそんな季節になったんだ。
そう思えば、この寒さも納得です。
次は、12月26日02時20分、おうし座ω1星(5.5等)の食になります。
27日の雨は嫌だね~!
と今から思わずにはいられません。もっとも雪かもしれませんが・・・。
<<月とおうし座>>
2012年11月上旬:おうし座流星群
2012年11月28日:月とヒヤデス星団が接近
<月とヒヤデス星団>
2012年11月30日:オリオン座χ1星(4.4等)の食
2012年12月3日に木星がおうし座で衝
2012年12月26日02時20分:おうし座ω1星(5.5等)の食になります。
東京 月出14:59 月入4:41
大阪 月出15:18 月入4:56
※月の公転周期は、27日7時間43.1分(約27.32日)、朔望月(さくぼうげつ)は、29日12時間44分(2012年で約29.5305845044日、2013年で約29.53058444631日)
« 番外 名君義元 東海一の弓取りの事(2)<<相模の穴熊を屈させた事>> | トップページ | 森永卓郎氏、裏で金を貰ったね? だぶん・・・ »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 歴史の中に常に答えはある。(2016.10.26)
- 今日のタマねい〔一燈照隅(いっとうしょうぐう)〕(2015.01.21)
- 今日のタマねい〔飽後思味(ほうごしみ)〕(2015.01.20)
- 今日のタマねい〔和光同塵(わこうどうじん)〕(2015.01.19)
- 今日のタマねい〔格物至知(かくぶつちち)〕(2015.01.18)
この記事へのコメントは終了しました。
« 番外 名君義元 東海一の弓取りの事(2)<<相模の穴熊を屈させた事>> | トップページ | 森永卓郎氏、裏で金を貰ったね? だぶん・・・ »
コメント