農(農業)という営みを続ける人がいるからそれをどう支えるか?
茶葉は市民が自宅の庭先で栽培したもので、ゲルマニウム半導体検出器で再検査した結果、昨年5月に摘み取り、保管していたという茶葉から2万4700ベクレルの放射性セシウムが検出された。
この茶葉は5月のものだから高くて当たり前だが、植物が放射能を吸収するということを再び再確認させられた。
<除染と減染とは、まったく異なる>
学校の校庭の表面を取り、地下2~3mの土と入れ替える。
そうすることによって放射能値を下げる。
いけないとは言えないが地下水の汚染などを考えれば、除染ではなく減染である。一時的な効果はあるが、長期的には何の解決にもなっていない。
いずれどこかの湧き水からセシウムが検出されたという話題が昇ることだろう。
何年先かはまったく想像もつかない。
ただ、時間のスパンが30~100年という猶予を与えてくれるなら、セシウムは半減期を迎えて無害になってゆく。
地下に埋めるということは、再びどこかが汚染されるというリスクを伴っていると考えねばならない。
防水シートで覆うだけでは隔離にならないのだ。
又、田んぼでは上下の土を入れ替えて減染によって農作物を作れるようにする。
放射能入りの危険な農作物を作っている。
<農(農業)という営みを続ける人がいるからそれをどう支えるか>
以前から私は放射能農産物は、政府か東電が除染として、放射能を買い上げるべきだと言ってきた。
たね蒔きジャーナル2012年3月28日放送分で、
福島県双葉市の農家である根元氏は、「放射能に汚染された地域なんがからそれはもう(大人も子供も)食べるべきではない。農(農業)という営みを続ける人がいるからそれをどう支えるかというメッセージがほしい」と言っている。
福島の農家の方がこう言って頂けるのはありがたい。
放射能農作物を作れば作るほど、放射能の総量が減ってゆく。土地が綺麗になってゆく。福島の土地を守るとはそう言うことだと思っている。
経済的に農家の方が貧窮しないという環境が第一であり、次に住める土地に戻すという次の作業に繋がってゆく。
独立総合研究所代表でもある青山 繁晴氏などは、
「捨てる為に、農作物か作れるか」
とおっしゃっいらしゃるが、“土地を守る。安全なものを提供する。子供達に自らの生き様を残したい”と考えられている根元氏などは、危険な食品を売るということに抵抗を感じられている。
彼らを見捨てない。
経済的に支える。
それは、自らの国土を守る。
そういうことではないだろうか。
青山 繁晴氏が言っている「彼らの作ったものを食べる」という行為は、安全でおいしいものを提供するという農家のプライドを痛く傷つける意見だと思う。
東電が賠償しないなら政府の機関が、放射能除染費用として標準通常の取引価格の8~9割で買い取る。また、非常に高い放射線値の場合は、次回の作付けに助成金を付けるなど、除染を強く意識させる援助が欠かせない。
放射能は勝手に増殖しない。
煮ても焼いても食えないが、勝手に増えない。
回収した分は確実に減ってゆく。
福島、否、放射能汚染された全地域は、放射能というゴミをかき集め、ゴミ箱に入れる作業がもっと大事なことではないだろうか。
『ゴミ屋敷でもいいじゃないか!?』という意見には、疑問を感じる。
私はいずれまた汚れるから無駄だとは思わない。
『ゴミのない清潔な国土』
これを守るのは、私達の使命だと思って頂けるうれしい。
<除染をすれば、安全な訳ではない>
除染をしても放射能数値が再び戻ることは珍しくない。
森や川、地下水が汚染されていれば、周りから放射能が集まってくる場合がある。
又、ゴミの焼却やガレキの焼却などで出る廃ガスには放射能が含まれている。
気象の関係か、地形の関係で気が付かないウチに放射能汚染地域になっているという事例が各地ある。
最近では、北九州の汚染は、関東のゴミ焼却灰を引き取ったリサイクル業者が放射能灰を再処理した廃ガスが原因で汚染されたと思われる。
福島の事故が北九州を人為的に放射能汚染を広めているケースである。
『放射能は隔離する』
この原則が守られていない現在において、一旦除染をしたからと言って、再び放射能から安全などと言えない現実に直面している。
放射能ガレキを地方に分散することに反対しているが、どうしても地方で処理をするなら廃ガスの放射能チェックを随時行なうことと、放射能の検出と同時に作業を中止することが絶対条件である。
廃ガスのフィルターも放射能を除去できるモノに変えることも絶対条件だ。
規制値ではない。
検出されるか、されないか
放射能を拡散する現在の政策は、国家自殺とも言える行為である。
そして、それを常に監視する為に『日本全国の各町・村の汚染マップ』を作成することが重要なのである。
※ 汚染マップは、3ヶ月とかで更新されるものでなければならない。
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福島、茶葉から2万4700ベクレル 市民が測定所に持参 /福島
http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20120323ddlk07040134000c.html
毎日新聞 2012年3月23日 地方版
福島市の放射能測定所に市民が持ち込んだ茶葉から、暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を上回る同2万4700ベクレルの放射性セシウムが検出された。22日の市災害対策本部会議で報告された。
市によると、茶葉は市民が自宅の庭先で栽培したものを測定所で測ったところ、高い値が検出されたため、ゲルマニウム半導体検出器で再検査した。昨年5月に摘み取り、保管していたという。
市は、測定器を増設し、月内に計28カ所に測定所を設ける。
市環境課は「家庭菜園などで採れた農産物は種類により規制値を超えるものもあり、可能な限り測定所で測ってほしい」としている。【深津誠】
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家庭ごみ焼却灰から微量検出 業者が搬入中止
http://mainichi.jp/select/science/news/20120322k0000e040245000c.html
神奈川県内の家庭ごみ焼却施設から出た焼却灰を奈良県御所(ごせ)市で埋め立て処分していた同市の産業廃棄物処理業者が、「放射能が不安」という住民の批判で今月上旬から受け入れを中止していたことが分かった。灰の放射性物質は国基準の数十分の1で、焼却灰を搬出した神奈川県の自治体は「拒まれた理由がよく分からない」と困惑している。全国各地で東日本大震災関連のがれきや焼却灰の受け入れが検討されているが、家庭ごみを巡って受け入れ中止になったのは異例。
搬出が中止されたのは、神奈川県湯河原、真鶴両町が燃やした焼却灰。2月の測定で、1キロ当たり144~490ベクレルの放射性セシウムが検出され、東京電力福島第1原発事故の影響があるとみられている。しかし、国が示している埋め立て可能な基準値(8000ベクレル)や、関西広域連合が設定予定の受け入れ基準値(2000ベクレル)を大きく下回っていた。
両町によると、焼却灰は湯河原町の最終処分場に埋め立てていたが、処分場から有害物質のカドミウムが漏出している可能性が指摘され、昨年12月に埋め立てを中止。灰からは問題になるほどのカドミウムが検出されておらず、代替処分先を探して御所市内の産廃処理業者に受け入れてもらった。今年1月27日から3月上旬までに約300トンを搬入した。
しかし、今月になって搬入を知った奈良県内の反対派住民らは、搬出元の両町に抗議や問い合わせをし、インターネットでの呼び掛けもあって電話は十数件になった。奈良県や御所市などにも電話が相次ぎ、産廃業者は「地元に迷惑を掛けられない」と7日に搬入中止を決めた。新たな受け入れ先は見つかっていない。インターネットでの呼び掛けに応じた奈良市の女性(39)は、「国の基準値は高すぎて問題外。がれきも灰も運び込まないでほしい」と話している。
環境省によると、家庭ごみの灰を巡って、放射性物質が基準値を下回るのに受け入れを拒否されるケースはあるが、搬入開始後に中止に追い込まれるのは異例。同省は「基準値はかなり厳しく設定している。理解を得られるよう努力したい」としている。【大久保昂】
毎日新聞 2012年3月22日 15時00分
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がれき受け入れ「支障ない」 名港組合側
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20120328/CK2012032802000107.html
県議と名古屋市議30人でつくる名古屋港管理組合議会は27日、港営建設委員会を開いた。東日本大震災のがれきを県が知多市の人工島・名古屋港南5区で処理する計画に関し、管理組合側は「手続き上、がれきの受け入れに大きな支障はない」と述べた。
管理組合は、がれきを被災地から海上輸送する場合には「名古屋港南5区への仮桟橋の整備はあり得る」と答弁。既存の港湾施設の活用では「一番近いのは横須賀ふ頭だが、水深が4・5メートルしかない。岸壁の調査をして、水深10メートルの大江ふ頭を候補地に挙げている」と明らかにした。
自民の佐藤一志県議(知多市)は「知多市役所には26日に150件を超える懸念の電話があった。風評被害の対策は」と質問。組合は「風評被害の対策や、放射性物質の独自の安全基準などは事業主体の県が考えることになるので、県に確認していきたい」と述べるにとどめた。
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いわき川前で最大4.48マイクロシーベルト 前回より上昇
http://www.minyu-net.com/news/news/0327/news9.html
県などは26日、いわき市川前、二本松市、相馬市で昨年行った自動車走行による放射線量調査の結果を発表した。いわき市川前の調査では最大値が同市川前町下桶売荻付近の毎時4.48マイクロシーベルトとなり、前回(6月・最大値同3.08マイクロシーベルト)よりも上昇した。
県は測定値の上昇について、「秋になり、落ち葉が堆積して水がたまるなどしたことが要因と推測される」と分析。県は再調査を含め、今後の対応についていわき市と協議する方針。県によると、最大値を観測した場所は山間部で、周囲に人家はないという。県などは昨年11月15日に同市川前地区で車両3台を走らせながら、地面から高さ1メートル地点の空間線量を測定した。最小値は川前町上桶売大平付近の毎時0.09マイクロシーベルト。
二本松市の調査は昨年12月6~8日の3日間、杉田、岳下、二本松、石井、小浜、上川崎、下川崎、針道の各地区で実施。最大値は山林に隣接する同市坊主滝の毎時2.55マイクロシーベルトで、前回調査(7月)の最大値毎時3.52マイクロシーベルトを下回った。
(2012年3月27日 福島民友ニュース)
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福島でうつ病などと診断、原発事故と関連3割超
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120326-OYT1T00458.htm
東京電力福島第一原発事故後に福島県内の医療機関の精神科や心療内科外来を受診し、うつ病などと診断された患者の3割以上が、原発事故と関連があるとみられることが26日、福島県立医大(福島市)の調査で分かった。
入院患者も、放射線被曝ひばくへの恐怖が入院と関連しているとみられる割合が全体の4分の1に上った。
県内77施設を対象に、事故直後の昨年3月12日から約3か月間に、毎週1日を抽出し、受診患者の状況を調査。回答のあった57施設で診断された410人を分析した。
医師が原発事故との「関連あり」と診断したのは19・0%(78人)、「関連があるかもしれない」は13・4%(55人)で、合わせて3割以上が事故との関連を示す結果となった。
(2012年3月26日11時52分 読売新聞)
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20120328 [1/2]たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
http://www.youtube.com/watch?v=fvgOrQ5MKmE
20120328 [2/2]たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
http://www.youtube.com/watch?v=EZd_A1mx4EQ
20120328 たね蒔きジャーナル「原発事故から1年 地元農家の苦悩」
http://www.youtube.com/watch?v=vdQJ0hBiQ9M
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私は埼玉在住の専業農家です。親の家業の手伝いですがいつまでできるか不安です。野菜の放射能検査の用紙を始めて親が書き検査中です。結果はどうなることやら。
ところで原発問題、TPP問題、増税問題などを取り上げるプロジェクト99というサイトが開設されました。利権を握る1%の人のためではなく、ボクら99%の国民のために働いてくれる政治家はどこにいる?という言葉のもと開始されたようです。拡散希望ということののでご迷惑かもしれませんがこちらでもご紹介させてください。
http://project99.jp/
投稿: ショウ | 2012年3月29日 (木) 19時11分
ショウさん、こんばんは
野菜の検査がいい結果(未検出)がでることを祈ります。
私の考える理想は、国の基準がセシウムに対して 30Bq、あるいは 10Bqまで引き下げ、それ以上は国の機関が最低保証価格で引き取ることだと考えています。
(30Bq、あるいは 10Bqという数値は、あくまで現在の暫定数値で5年毎に改正するのがベストと考えております。本当にそんな厳しい数値がいるかは未定ですが、様々な可能性があるので当面の数値はこの位でしょう)
ともかく、農家が安心して、農業を続けられる環境が必要です。
農家が経済的に行える環境と除染の認識の共有が大切です。
ともかく、放射能は勝手に増えませんから、取った分は確実に綺麗になります。
国土を守るとは、そういうことではないのでしょうか。
投稿: (管理人)donnat | 2012年3月29日 (木) 20時44分
はじめまして。
青山繁晴さんのブログでのコメント欄を拝見し、食と放射能と復興支援についての説得力のあるご意見に賛同し、お邪魔しました。
子どものいる私は、食に対して慎重にならざるを得ず、「食べて応援」にいまだ抵抗を感じています。
農作物を作りどこかに隔離することが、最終的には安全な大地を守ることに繋がるのですね。
そう考えれば、農家の方々の使命も重大であり、尊い行為だと認められるのではないでしょうか。
そこに積極的に税金、または東電のお金を投入するのは正しいことだと思います。
投稿: あん | 2012年3月31日 (土) 10時53分
あんさん、こんばんは
最終的に東電が責任を持つのか、国民で責任を持つのかは判りませんが、みんなで農家を支えなければ、この国が亡くなってしまうと私は考えています。
住んでいる地域によって、やるべきことが違います。
直接的であれ、間接的であれ、国民全体で解決していかねばなりません。
そんな風に感じで頂ければ、嬉しく思います。
投稿: (管理人)donnat | 2012年4月 1日 (日) 20時30分