不愉快なほど放射能のニュースが少ない
福島第一原発がどうなるか、それはまったく判らない。
「どうすればいいのか?」という議論ならいくらでもできるのだが、どうも政府か東電が嫌がっているようで、何をやっているのか、まったく判らない。
福島第一原発の問題は、大きく2つに別れている。
・原発をどうやって止めるのか?
・放射能汚染の拡大を防ぐのか?
《原発をどうやって止めるのか?》
こちらはただ水で冷やす以外の方法がない。しかし、炉心が残っている場合は、再臨界し難く、冷温停止させ易い。しかし、メルトダウンしている現在では、どういう形で現存しているかは把握できない。つまり、いつ停止するかはまったく判らない状態である。ともかく、すべての測定温度が低温状態を維持するまで水で冷やすしかない。
「循環が無意味だ」という方もいる。
概ね間違っている訳ではないが、水が循環している方が冷却機能として効果が高いと私は推測するので、循環は行うべきであろう。
ただし、原子炉内を循環させることに意味がない。
原子力建屋全体で循環させることに意味がある。原子力炉内、格納容器内、建屋下部を一体のものとして冷却機能を設置しておくことが重要である。
しかし、政府や東電がどう考えているかは理解できないので何とも言えない。
「行程表に変更はない」という意味がよく判らない。
いずれにしろ、水を切らさない限り、いつかは止まる。
早ければ、1年くらい、長ければ10年くらいである。判断ミス・作業ミスがないことだけを祈るしかない。
《放射能汚染の拡大を防ぐのか?》
汚染水と水蒸気による大気拡散の2つがある。
注入した水がどこかに消えているので、汚染水として海か地下に流れているか、水蒸気となって大気に拡散している以外は考えられない。
東電も政府も嘘つきであるので、どちらに消えているかは判断できない。
しかし、チェルノブイリ2倍近い放射能が原子炉内にあり、それが漏れ出している訳だ。
(福島第1原発のウラン総量はチェルノブイリの19倍)
注入した水から逆算すれば、相当の量の放射能が流失、または拡散しているハズだ。
大気中であれば水蒸気が原因であり、東京ドームのようなテントを設置することで拡散を防げる。
地下水への流出なら地下ダムで防止するしかない。
放射能汚染という作業困難な状況であるということを除けば、どちらも防止することができる。
しかし、政府や東電がその作業に掛ったという情報はない。
私の推測するところ、まだ原因を特定できていないという感じが否めない。
どちらの工事をするにしても、膨大な予算が必要である。
「無駄な工事を・・・」などと考えているようなら、止まるものも止まらないであろう。
無駄になることを承知で、同時並行で作業に着手する覚悟が必要なのだが、そんな度胸がこの政府にあると思えない。あるくらいなら初日に原子炉を放棄して、その後の事故を未然に防いでいただろう。
少なくと福島県民をすべて避難させて、放射能被爆だけは防いでいたに違いない。
いずれしにろ、汚染水が溢れて海の流出のニュースを聞くことになると思う。
しかし、そんなことは枝葉に過ぎない。
《不愉快なほど放射能のニュースが少ない》
台風接近で何を一番警戒するか?
・地震による河川の被害状況である。
これは、まず正常に報道されていると感じられる。
次に、
・福島県からの放射能の飛散は大丈夫か?
こちらは、まったく報道されない。
これから茶畑やウメのセシウム検出騒ぎが頻繁に起こることになる。
学校の基準が20mSvから1mSvに下がったことや表土を除去する自治体が増えてきていることは嬉しいことだが、その元凶となる地域には人がほとんど存在せず、もちろん表土の除去作業をしている自衛隊がいるなどというニュースを聞いたことがない。
普通に考えれば、せっかく削った表土の上に、新しいセシウムが付着している可能性を考えなくれはならない。
良心的な自治体は測定してくれると信じている。
しかし、これは日本国民全員が自覚し、福島県および周辺の県に協力する気持ちが重要である。この地域を美しい国土に戻さなければ、日本全土が低濃度の放射能汚染地域に拡散するのである。
私は大阪に住んでいるが、今日の雨に放射能が含んでいるのか、それとも明日だろうか、そう思いながら空を見ている。
風は東から西、そして、北から寒気を伴った風が吹き下ろす。
日本海に抜けた風が落とされて、福井や京都当たりから大阪、奈良へ落ちてくるハズだ。
もちろん、それが健康に害をなすほどの量でないことは承知している。
しかし、今度30年間の累積となればどうだろうか?
広島の放射能被爆を調査したアメリカの研究員は、5年なら5年、10年なら10年、20年なら20年と被爆者が増加していったと述べている。
私はこれを累積する体内被曝によるものだと推測している。
食べ物や生活の違いで異なってくると思われる。
たとえば、福島の滑り台を調査したデーターでは、滑り台の降り口の当たりが最も高い放射線量を示している。
おそらく、滑り台に降った雨が滑り台を滑って、降り口に固まったからだと思われる。
滑り台が好きな子供は、沢山の放射能に当たり、飛散した放射能物質を吸っている可能性が高い。
それが毎日の累積で大きく変わってくる。
つまり、被爆しやすり子供としにくい子供に差になるのだ。
セシウムは30年間なくならない。正確にいうなら、30年経っても半分にしかならない。放射能の影響がほとんど無くなるまで100年近く掛ると考えておくべきものなのだ。
つまり、今年始めての台風は、洪水の次に、放射能拡散という危険なものなのだが、ほとんど語られなかった。
極端に言うなら、福島近隣の子供は屋外禁止を警告するくらいでも良かった。
あまり放射能を気険視し、怯えるのもどうかと思うが、同じだけ気険な可能性が残っていることをもっと大人が自覚してあげないと、5年後、10年後に後悔しても遅いのだ。
そうそう、“異常すぎる日本の「暫定基準値」”を見ると、日本の規定が異常かが良く判る。
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もちろん、日本の基準が間違っているという意味ではない。
福島県を始めてする日本国民をモルモットとした、実験の結果。
安全値が算定され直す可能性がある。
さて、日本人をモルモットにする政府の行為を許せるなら、人類にとって大きな1歩となるだろう。
しかし、残念ながら私はモルモットなるのも、子供達をモルモットさせるのも賛成できない。
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異常すぎる日本の「暫定基準値」 乳児に与える飲料の基準は国際法で定められた原発の排水より上
http://rocketnews24.com/?p=99214
2011年5月28日
現在日本で定められている、食品や飲料の『暫定基準値』が国際的に見てどれぐらいのレベルなのだろうかと心配する声は多い。
有名人でも作家の室井佑月さんがNHKのテレビ番組で子供に与えても良いのかと疑問を投げかけるなど、一般人でなくともその関心は非常に高い状態だ。
不安に思っている人たちはサイト「放射能について正しく学ぼう」を見ていただきたい。ここでは様々な放射能に関わる数値やグラフなどが分かりやすく描かれており、暫定基準値についても記載されている。
食品や飲料の暫定基準値について言えば、日本では乳児で1リットルあたり100ベクレル、成人でヨウ素300ベクレル セシウム200ベクレルと定められている。これだけでは一見どういった数字なのか分からないが、この数値と比べるとどれだけ異常な数字なのかが分かる。
なんと国際法で定められた原発の排水基準値は1リットルあたりヨウ素40ベクレル、セシウムは90ベクレルまでとなっている。つまり、乳児の暫定基準値ですら、現在の日本では原発の排水より高い放射性物質が残留しても良いという設定値になっているのだ。
つまり政府が定めた数値を守るだけなら、原発の排水で作ったミルクを幼児に飲ませて良いということになる。ちなみにWHOで定められた平常時の飲料の基準は1リットルあたり1ベクレルまでなので、それに比べると乳児ですら100倍まで基準が高められているのである。
また、野菜の暫定基準値についても1キログラムあたりヨウ素2000ベクレル、セシウム500ベクレルと設定されているが、これもWHOが定めた餓死を避けるための非常事態の数値、1000ベクレルの2倍ほどの数値だ。いくら暫定的な数値とは言え、事故以前に定められていた餓死を避けるための数値より高い放射性物質が残留している食品の流通が許可されているとは、非常に恐ろしいことではないだろうか。
事実、口にするものの暫定基準値以外にも年間に浴びてよい放射線の基準値20ミリシーベルトを、ノーベル賞を受賞した国際的な医師団体が高すぎる数値だと指摘、文部科学省に対し引き下げを要求している。このように世界的に見ても高い数値の暫定基準値が定められいつまでその基準が続くのか分からない現在、子供の給食に基準値以下の食品を使用するというのは親たちから反対されても仕方が無い。
だが国内の飲料メーカーは消費者の思いを見越しているのか、例えば日本コカ・コーラは米国から独自に測定機材を購入したり、サントリーは同社の安全性科学センターで放射性物質を測定し、安全性を検査している。一般企業がこういった努力をしているのに、政府はなんという体たらくなのだろうか。なぜか食品に残留している放射性物質の数値を出すことは無いのにテレビなどで「きちんと検査しているから安全」といった無責任な発言をしている学者やコメンテーターたちにも見習ってほしいものだ。
現在はインターネット上でもこのような情報を知っている人たちからは、暫定基準値や発表が到底信じられないとの意見が続出している。今後は後手後手で発表したりなどのミスすることなくきちんとした対応をしない限り、政府が国民の不安をぬぐうことは出来ないだろう。
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