児童に対する安全基準と見解の違い 1~20mSv/年が20mSv/年と読み取るのだろうか?
内閣府原子力安全委員会の「福島県内の学校等の校舎、校庭等の利用判断における暫定的考え方」という資料が公開されている。
1.学校の校舎・校庭の利用判断における暫定的な目安について
学校等の校舎、校庭、園舎及び園庭の利用の判断について、現在、避難区域、これから計画避難区域や緊急時避難準備区域に設定されている区域を除く地域においては、次のように国際的基準を考慮した対応をすることが適当である。
国際放射線防護委員会(ICRP)のPublication109(緊急時被ばくの状況における公衆の防護のための助言)によれば、事故継続等の緊急時の状況における基準である20~100mSv/年を適用する地域と、事故収束後の基準である1~20mSv/年を適用する地域の併存を認めている。
(以下略)
「子どもたちを放射能から守れ」と掲げて政府と説明会を開いている席で、内閣府原子力安全委員会の職員が「安全委員会は年間20ミリシーベルトを安全とは言っていない。」と述べている。
おそらく、内閣府原子力安全委員会が提出したこの資料を元にして言っていると思われる。
たしかに、児童の受ける線量を考慮する場合、16時間の屋内(木造)、8時間の屋外の生活パターンを想定して、屋外線量が20mSv以下なら問題ないだろうと想定している。
つまり、屋外3.8μSv/h×8×365=11.096mSv/年と屋内1.52μSv/h×16×365=8.877mSv/年を想定して計算しているので、合計として19.973mSv/年という計算である。
私としては、これにも異議がある。
個人的に測定した報告やYouTubeの動画を見てから推測されることは、屋内と屋外の放射線量にあまり差がないということだ。
これは換気に優れた日本の建築物の構造に問題があるのか?
出入り中の注意が不十分なのか?
毎日の放射能除染(埃を上げない掃除)が徹底されていない為になのか?
いずれの為なのかは不明であるが、屋内と屋外の放射線量の差別化は意味がないと思われる。
つまり、安全委員会は20mSv/年を単純に時間換算した2.28μSv/h以下であるかどうかを基準にするべきであった。
屋外3.8μSv/hと屋内1.52μSv/hとしたのは間違いである。
《子供が判っていない???》
内閣府原子力安全委員会の判断は不十分である。
まず、「測定位置を地表、あるいは地表より50cmで測定したものを基準とする。」と書き加えるべきであった。
さらに、
子供背丈は大人の半分であり、泥んこ遊びが主な仕事である。
内部被爆を測定する装置(全身カウンタ検査装置)の移動車があるらしい。
学校を巡回して順次測定してゆく程度のケアーを報告書に明記できなかったのだろう。
測定の結果、安全が証明されれば、今後の対応が変わってくるのである。
また、気険であると判明すれば、追加の処置が必要であることがはっきりとする。
いずれにしろ、調査と対応は速やかに来なってゆくことが必要と何故言えないのだろうか?
その点が、不十分であると思われる。
《鬼・畜生の日本政府???》
それよりも酷いのは政府の対応であった。
国際放射線防護委員会(ICRP)のPublication109の事故収束後の基準である1~20mSv/年を20mSv/年と読むのはあまりにも乱暴である。
因みに、政府は事故継続等の緊急時の状況における基準である20~100mSv/年の最低基準である20mSv/年にしたというのであろう。
一般的に事故継続等の緊急時の状況とは、チェルノブイリ事故のような事態を言う。
もし、日本政府がその自覚があるならば、100km圏内の立ち入りを禁止するべきであり、300km圏内を警戒区域に設定する必要がある。
事故継続等の緊急時の状況は、
15日の水素爆発(核爆発という説もある)した日がまさにこれに適用される一日であった。
翌16日には収束している訳であり、事故収束後の基準である1~20mSv/年を適用する地域を20km圏外と設定するのが良心的な設定ではないだろうか!?
日本政府は自分にとって都合のいい解釈をしすぎである。
まるで、小学生が時には大人、時には子供を使い分けるダダッ子のようだ。
原子力安全委員会が学校の校舎・校庭の利用判断における暫定的な目安を1~20mSv/年と言っているのだから、政府は1mSv/年に抑えるように努力義務が生じるハズである。
しかし、政府は、国際放射線防護委員会(ICRP)、原子力安全委員会の判断を盾に、20mSv/年(屋外3.8μSv/h×8時間と屋内1.52μSv/h×16時間)が打倒であると言いきっている。
原子力安全委員会がそんなことを言っていないと言うのは、当然のことである。
現在のところ、政府は意見を変えるつもりがないらしい。
《1mSv/年でもあぶない???》
本当のところ、1mSv/年でも安全など言えない。
いくら綺麗に除染をしたとしても、校舎の隅や郊外、裏路地や林の中などは放射能除去しきなれない所が沢山ある。
子供達に『あぶない所に行ってはいけません!!!』というのがどれほど無意味なことか、大人は自覚できていない。
幼児に『お口に入れちゃいけません!!!』と叱る母親が、幼児は理解したなどとは思っていない。
福島県のいわき市の動画で雨どいの廃棄口や水たまりに100μSv/hの放射線測定が出てたりしている。
子供達がどんな遊びをするかなど想像できない。
どこにどんな放射線が潜んでいるかなど、びっくり箱のようである。
『子供に遊ぶな!?』などと言ってはいけない。
大人にできることは、目に付くところだけでも可能な限り放射能除去を行い。
少しでも安全率を高めておくことだ。
郡山の校庭を除染したことを私は高く評価している。
それを無駄な行為のように言う政府(枝野)の未熟さを非難する。
「子供達に借金を残してはいけない」
そう言っているのは、政府自身ではないか???
その一方で、“子供が死んでかまわない”と言っているようなものである。
二枚舌とは、よく言ったものである。
「将来に借金を残してはいけない」という言葉が如何にデタラメであるかは、ここに証明された。
今は放射能を除去するしかない。
将来、放射能はそれほど怖くなかったと証明される日が来るかもしれない。
しかし、今は希望的な観測であって、現実ではない。
今できることをやっていくしかない。
《福島の3号機、また温度が上がっています???》
雰囲気温度(原子炉内の気体温度)
RPVベローシール
5/05 228.1℃(4/29 81.3℃)
3号機は毎日10℃程度のペースで温度が上昇中です。臨界かどうかは断定できませんが、注入量が同じで、配管に問題がなく、漏水のヨウ素の数値は上昇しているのであれば、臨界中でしょう。
気険な状態とまではいいませんが、このまま300℃に近づくようなら気険です。漏水の問題はありますが、注入量を増やして温度下げて置く必要があります。
1号機も若干上がっていますが、上昇傾向ではありません。
2号機は110~120℃範囲を維持しています。
いずれにしろ、循環システムを構築しないといずれは破綻します。
具体的な政策が明らかにされないので不安は消えません。
ある日突然爆発して、1時間も経ってから避難命令という最悪のシナリオだけは避けてもらいたいものです。
《福島とその周辺を政府は放棄したいの???》
私は今回の原子力事故を“レベル7”と考えています。
しかし、15日の水素爆発と海水の汚染を含めています。
もし、それを省くとすると“レベル6”の事故と思っています。
つまり、何が言いたいかというと、
福島やその周辺の県の汚染度は、“レベル7”ではなく、“レベル6”だといいたい訳です。
今度、大規模な事故が起きないという前提でいえば、福島やその周辺の対応は非常に危険です。
土壌に放射能が固定化されかねません。
もっと除染という意識を高めないと、農業は全滅するかもしれません。
誰もが安全と思える食品でなければなりません。
政府が安全と証明した食品では、誰も信用しないからです。
そう言ったことを自覚して、少なくとも県レベルでは動いてほしいものです。
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■原子力安全委員会「福島県内の学校等の校舎、校庭等の利用判断における暫定的考え方」に対する技術的助言について
http://www.nsc.go.jp/info/20110502.pdf
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安全委員会は年間20ミリシーベルトを安全とは言っていない
5月2日「子どもたちを放射能から守れ政府交渉」 6/8
http://www.youtube.com/watch?v=sGu9M9WAAHw
安全委員会は年間20ミリシーベルトを安全とは言っていない
http://www.youtube.com/watch?v=06Xf0mNme-U&feature=related
<越後屋>
原子力安全委員会は20mSvを否定、文科省の決定に根拠なし。
「20mSvを基準とすることは、安全委員会は認めていない」
「基準は子供と大人を違うものとみて、成人と同じとしていない」
「内部被曝を重視するように、文科省にも伝えている」
「4人の安全委員は、子供が20mSv浴びることを誰も許容していない」
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コメント
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「年間20ミリシーベルト」という値は発がんリスクを「200人に1人」にまで高めるものだと指摘。
http://www.j-cast.com/2011/05/02094683.html
20mSvの被ばくによる癌死の確率は1000人に1人とみなすべきであることを原子力安全委員会が認めた。
http://fpaj.jp/news/archives/2722
投稿: 越後屋 | 2011年5月 6日 (金) 20時38分