杞憂です(3)朗報、聞き間違いじゃなかった。
原発情報 ←(最新)
http://donnat.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-adc1.html
18日13時の東京電力会見で耳を疑う情報が入った。
ライブで聞いていた私は、一瞬、耳を疑う。
しかし、丁度、昼の休憩が終わって、席を立ったところだった。
「2号機、原子炉圧力容器内 100℃」
???
一瞬、耳を疑った。聞き間違いじゃないか??? そう思いつつも仕事を続けた。
やっと終わって、今、確認。
聞き間違いじゃない。
「2号機、ベントしない。原子炉圧力容器内が100℃以下 終息している。」
2号機の原子炉圧力容器の圧力は発表されていないので、どれくらいの安定化は不明だが、120℃以下なら当面の危機は去った。水位が発表されるまで安心はできないが、一先ず水蒸気爆発の可能性はなくなった。後は冷却機の機能が回復すれば、問題がなくなる。
1つ解決である。
付け加えるが、この後に致命的な事故が発生しないという前提だ。
圧力制御室を失っているので、電源回復後も危険だと思っていた2号機が終息したことは嬉しい。
残り4分の3である。もちろん、5号機、6号機が重大な問題にならないと信じてである。
あと、私の疑問は、1号機と2号機の燃料プールが未使用だったかという疑問だ。
今のところ、発表されていない。
少なくとも重大な問題になっていないと信じたい。
嬉しい。
未だに放射能ダダ漏れの絶望的状態を脱した訳ではないが、1つでも解決に向かっているということは朗報である。
不思議なことは記者達の反応である。
現状維持と終息ではまったく意味が違う。
一瞬、喝采が上がってもいいと思うのだが、意外と無反応!!!
記者によっては、収穫なしとか言っている。
東電さん、あとで原子炉圧力容器と格納容器の言い間違いでしたなんてギャグはなしにして下さいよ。
1号機
炉心燃料健全性 炉心損傷
格納容器健全性 健全
交流電源を要する原子炉冷却機能 機能喪失
交流電源を要しない原子炉冷却機能 機能喪失
建屋健全性 大きく損傷
原子炉圧力容器内水位 不明
原子炉圧力容器内圧力 安定
格納容器圧力 安定
炉心への注水 実施中(海水)
格納容器への注水 実施中(海水)
格納容器ベント 実施中
使用済み燃料プール内の燃料健全性 (情報なし)
2号機《終息中!!!》←あと一息まできた(奇跡だ!!!)
炉心燃料健全性 炉心損傷
格納容器健全性 損傷の疑いあり
交流電源を要する原子炉冷却機能 機能喪失
交流電源を要しない原子炉冷却機能 機能喪失
建屋健全性 損傷
原子炉圧力容器内水位 一時燃料全長露出するも水位回復中
原子炉圧力容器内圧力 安定(ベント解放の必要なし、炉内温度100℃以下)
格納容器圧力 空層部不明、圧力制御室:大気圧
炉心への注水 実施中(海水)
格納容器への注水 実施中(海水)
格納容器ベント 必要無し
使用済み燃料プール内の燃料健全性 (情報なし)
3号機
炉心燃料健全性 炉心損傷
格納容器健全性 損傷の疑いあり
交流電源を要する原子炉冷却機能 機能喪失
交流電源を要しない原子炉冷却機能 機能喪失
建屋健全性 大きく損傷
原子炉圧力容器内水位 不明
原子炉圧力容器内圧力 (情報なし)
格納容器圧力 安定
炉心への注水 実施中(海水)
格納容器への注水 実施中(海水)
格納容器ベント 実施中
使用済み燃料プール内の燃料健全性 水位低???、ポンプ車による注水中
4号機
炉心燃料健全性 問題なし
格納容器健全性 健全
交流電源を要する原子炉冷却機能 必要とせず
交流電源を要しない原子炉冷却機能 必要とせず
建屋健全性 大きく損傷
原子炉圧力容器内水位 安全状態
原子炉圧力容器内圧力 安全状態
格納容器圧力 安全状態
炉心への注水 必要とせず
格納容器への注水 必要とせず
格納容器ベント 必要とせず
使用済み燃料プール内の燃料健全性 水位低、注水準備中、燃料損傷の疑いあり
総括:1号機、3号機の炉内は心配だが、このまま終息を祈るしかない。3号機の注水が派手にされているが、効果は今のところ不明。水蒸気が上がったので無意味ということはないだろう。
それにしても2号機の当面の危機が去ったことが報道されないのは意外な反応だ。
1号機、3号機に対しても余り報道されなくなっている。
危険度から言えば、1号機、3号機の方が危険だと思われる。
燃料プールの方は、熔解して再臨界を起こしていなければ、遥かに安全なのだが、もしかして、再臨界の可能性があるのだろうか?
発表を信じるならば、注水することで危機を回避できるハズなのだが???
それと不支持なことが1つ、共用プールの温度が何故上がっているのだろう。
11:00 共有プール 55℃
16:00 燃料プール5号機 66.9℃ 6号機 64.5℃
5号機と6号機のプール温度の発表といっしょに共用プールの温度も発表された。
共用プールにも注水するらしい。
電気が止まっているはず、今のところ。
循環していない共用プールが温度が上がる謎?
原子力には私の知らないセーフティーネットが多数あるようだ。
さて、
本当に4号機の燃料プールは大丈夫なのだろうか?
2度も水素爆発っぽいのが起こっているのに、原因不明の発表が気になる。
東電もいい加減にリスクを国民全体で分かち合い、この危機を乗り切ることに全力を尽くしてもらいたいものだ。
ここで手綱を緩めると、今までの努力が無に帰してしまう。
1つでも失敗すれば、被害は同じ。リスクが下がった訳ではない。
マラソンに例えるなら10kmを走った状態、30kmを超えてから本当に苦しくなる。ここで気を緩める訳にはいかない。
今朝の新聞の抜粋
3月18日午前10時東電の会見資料の一部
------○------
110318 東京電力会見 20時~
11:00 共有プール 55℃
16:00 燃料プール5号機 66.9℃ 6号機 64.5℃
------○------
110318 東京電力会見 13時~
http://live.nicovideo.jp/watch/lv43587258
http://togetter.com/li/112987
・1時間当たりの発熱量:(1号機)6万 (2号機)40万 (3号機)20万 (4号機)200万 (5号機)70万 (6号機)60万 (共用プール)100万 単位:キロカロリー
・3号機、4号機の電源回復。20日頃
・4号機と3号機は3号機の方が水蒸気の出方が多いので3号機に集中して注水している。4号機についてはプールの中の水が高いレベルで満たされていたことを確認している。3号機はプール水量が少ないことを確認しているので3号機を狙っている
・2号機、ベントしない。原子炉圧力容器内が100℃以下 終息している。
------○------
20100318午前10時会見
http://www.ustream.tv/recorded/13387893
福島第2原発は問題なし。
------○------
03/18 東京電力会見 03:56AM
http://www.ustream.tv/recorded/13394537
------○------
110317 東京電力会見 24時~
http://www.ustream.tv/recorded/13377631
------○------
各地の放射線量、大きな変動なし
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819695E3EAE2E69D8DE3EAE2E1E0E2E3E39FE3E0E3E2E2;at=DGXZZO0195591008122009000000
(日本経済新聞 2011/3/18 21:22)
文部科学省が18日に同省ホームページで公表した全国47都道府県の大気中の放射線の測定結果によると、放射線量は前日と比べ大きな変動はみられなかった。一部を除き平常値の範囲内で、いずれも健康被害につながるレベルよりもずっと少ない値だった。
各都道府県の過去の平常値の範囲は毎時0.01マイクロ(マイクロは1千分の1ミリ)シーベルト~0.1マイクロシーベルト。午前8~9時の間で最も高かったのは水戸市の毎時0.195マイクロシーベルトで、平常時の約5倍。宇都宮市でも同程度に高かったが、前日と比べ減少傾向にある。近畿や中国、四国、九州の各県では平常値と変わらないところが多かった。福島県は計測器が壊れて測定値がない。
一般の人が浴びる放射線の限度量は自然の放射線や医療用X線などを除いて年1ミリシーベルト。測定された放射線量は健康被害に直結しない。
------○------
首相、八つ当たり 自衛隊の原発への「放水遅い」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110318/plc11031818520045-n1.htm
2011.3.18 18:51
菅直人首相は18日午後、笹森清内閣特別顧問と東日本大震災の対応をめぐり官邸で会談した。笹森氏によると、首相は福島第1原発で同日午後に行われた自衛隊の放水について「準備ができていたのに、なぜ午後2時前まで待ったのか」と不満を漏らしたという。
ただ、18日は午前中に外部からの電力復旧作業を優先し、放水は午後に実施するとの手順は事前に決まっていた方針。なかなか成果が見えない状況に首相はいら立ちを募らせ八つ当たりしたようだ。
------○------
「東電のバカ野郎が!」官邸緊迫の7日間 貫けなかった首相の「勘」 またも政治主導取り違え
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110318/plc11031800190002-n4.htm
------○------
原子力保安院・東電記者会見解説(平成23年3月17日)
http://www.olive-x.com/news_30/newsdisp.php?n=105325
午後8時30分から行なわれた原子力安全・保安院と東京電力記者会見を視聴しました。基本的な政策は①注水継続②喪失電源回復によるECCS系統の再起動であります。この点は、保安院・東電両者に共通です。今日1号機2号機に送電工事が済み明日から内線工事の予定。
保安院の会見では、2号機の圧力抑制装置の破損は、確認できていないという机上のものでした。また、水蒸気及び可燃性ガスは上空に飛散するので、上空の放射線量はかなり高度です。東電社員が、自衛隊ヘリに同乗し、動画を撮影したようですので各号機の様子が公開されます。
保安院は、やはり原子力の安全政策の根幹を担当しているので、依然としてレベル4に止めたい思惑の発言に終始しています。記者の、なぜ当初から外部電源を引かなかったのかの質問に、西山広報官は回答につまりました。そういうことです。
現在は、事故状況が改善しているわけではなく、今後も注水を継続するか、上手く行けばECCSが回復し、非常用冷却水系が回る・・かも・・しれないとの希望です。
悪化したケースでは①圧力容器内で燃料が溶融落下し、水蒸気爆発②圧力容器を破り溶融燃料が格納容器に抜け落ちる、です。この場合、格納容器が破損する可能性が高いので、両者ともに放射性物質が大量に放出されます。
勘違いがあるのは、燃料が水蒸気とともに上空に舞い上がるようなケースでは、事故が起きた炉心からの距離で、放射線量を単純に測れなくなります。それを、黒い霧又は黒い雨と云います。このことがおきますと極めて生命系に危険な状況になります。
特に3号炉は、プルトニウムのMOX燃料です。しかもここが最も破壊が進んでいます。したがって状況は危機的と認識せざるを得ません。最も重要なことは、炉心溶融を進めないために注水を行なうこと、願わくばECCSが回復してくれることです。
特に炉心冷却の安定が確保できれば、水素ガスなどの可燃性ガス、核分裂生成物、水蒸気ともに減少します。空から放水は燃料プールのためのものですので、ピンポイントでしないよりいいですが、やはり電気を回復し、ポンプを駆動するのが早いでしょう。
事故の重要なポイントは、本日、原子力安全・保安院の会見で、西山広報官が回答につまった「なぜ最初から外部電源を引かなかったのか」というところです。11日から17日まで約7日間。ここがあとで追求される論点となりそうであります。
以下余白
------○------
東日本大震災で地球軸17センチ動き、1日が24時間でなくなる
http://media.yucasee.jp/posts/index/6998?la=0003
2011年03月18日 11時40分
米NASAジェット推進研究所(JPL)の発表によると、11日に発生したマグニチュード9.0の東日本大震災の影響で、地球の形状軸が17センチ動き、1日の時間が1.8マイクロ秒短くなったことがわかった。ナショナルジオグラフィックなどが報じた。
形状軸とは、地球の南北を結ぶ自転軸から10メートルずれた場所にある軸のことで、自転軸が形状軸のまわりを回転している。JPLの地球物理学者リチャード・グロス博士の計算によると、今回の地震で形状軸は17センチ移動し、1日は1.8マイクロ秒短くなった。1マイクロ秒は100万分の1秒のため日常生活に影響はないが、この数字はグロス氏が計測した中では最大で、また地球の自転速度も変わったという。
NASAによると、2004年のマグニチュード9.1のスマトラ沖地震では、形状軸は7センチ移動し、1日の時間は6.8マイクロ秒短縮した。また昨年のマグニチュード8.8のチリ地震では、形状軸は8センチ移動し、1日は1.26マイクロ秒短縮したと見積もられている。
今回の地震では、形状軸がスマトラ沖・チリ両地震の2倍以上の大きさで動いていることが研究者に注目されている。グロス氏は「これは、(軸の傾きを計算ではなく)実際に計測することが可能な唯一の地震です。他の地震では(軸の移動が)小さすぎるため、実測することは不可能です」と語っている。
------○------
« 杞憂です(2)規格外作業という恐怖 | トップページ | 杞憂です(4)現場のリスクと市民のリスク »
「ニュース」カテゴリの記事
- STAP細胞は驚くべき発見なのか?(2014.02.06)
- トリチウムって、本当に安全なの?(2013.09.20)
- 知性と生活保護と反日教育(2013.08.06)
- 失業率と失業数(2013.07.30)
- 安倍総理の150万円が何かと話題になるが、何か可笑しい?(2013.06.19)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント