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「地球は当面寒冷化」ってホント?

2011年1月 5日に「通りすがり」さんからコメントを頂いたのでもう一度考えてみよう。
江守正多氏と赤祖父氏のコメントは昨年の『地球寒冷化の影響で関東40年ぶりの4月雪』の参考記事にも載っていたが、「通りすがり」から紹介されたサイトの中にあるメール討論「地球温暖化:その科学的真実を問う」は中々読み応えがある内容で、興味のある方は一度読んでみるといいと思います。

さて、私の立場を明確にしておきますと、
『当面寒冷化』派です。
ただ、その後氷河期への転換がなされるか、反転して温暖化が続くかは検討も尽きません。

はっきり言えることは、
・IPCCの結論は近代のデーターに固執しており、その他の参照データーを軽視する傾向がある。
・その他のデーターで数万年規模で地球の気温を推測するものがあるが参照値であり、確定値となり得ない。ただし、データーには貴重な価値がある。
<相方が歩み寄った結論が存在しないという事実だけである>

・私が当初参考にしていた太陽点と気候の関係は疑いようもないほど一致していた。しかし、1990年代から現象は説明できない。
(私が興味を持ち始めたのは30年前、まだ地球温暖化など叫ばれず、むしろ、氷河期がくると騒がれていた。)
・IPCCの“CO2”による気温に上昇は1960年代からCO2の上昇と気温の上昇に関連性を感じることができるが、その理論では1960年代以前の変動が説明できない。また、ここ数年の説明もできない。
(IPCCの資料には懐疑的だったが、京都議定書には大賛成。化石燃料から循環エネルギーへの転換期になればと考えていた。)

結論を言ってしまえば、
地球の気候変動はいくつもの要因によって変化している。どれか1つに絞って犯人探しをすることに無理がある。
幾つかの要因とは何か?
・太陽活動よる宇宙線の影響
・太陽自身の熱量放出の上昇
・地球軌道の変化
・地下火山活動の活発化
・水蒸気量の変化と雲の形成過程
・月・火星・金星・木星・土星・彗星などの磁場・引力の関係
・外宇宙からの宇宙線等の変化 等々
その中でも私が一番注目するのは太陽である。太陽の影響が最も大きいと私は捉えている。

よって、ここ数年の活動停滞は基本的に寒冷化を引き起こすと考えている。しかし、単純な話にはならない。
<1つの仮定を当てはめてみよう>
太陽の活動が停滞すると同時に宇宙線の放出量も減少する。宇宙線が海面に当たると雲が発生するという論文が正しとすると、雲が減少することになる。雲の減少はすなわち太陽線を反射するモノの減少であり、地表により多くの熱量を運ぶことになる。熱量の増加は気温の上昇を生み、気温の上昇・水温の上昇は水蒸気を発生させる。海の水温上昇にはタイムラグがあり、雲の発生量の増加に時間的なロスはそこで起こった。現在の寒冷化はそういったメカニズムによって引き起こされている。
これを証明する為にには、
・黒点の観測データー
・海水温の観測データー
・雲の発生データー
最低、この3つのデーターを揃えて関連性を証明しなくればならない。
または、火山の噴火による上空大気の微粒子の散布状況から説明できるかもしれない。
または、地軸の変化から北極海上空の電磁層の減退が原因にあるのかもしれない。
その他の仮定も様々な研究の結果から正解を探してゆくしかない。
(面白いことは、同じデーターからまったく違う結論が導き出されることが多々あることだ)

ちなみに、
人為的なCO2の排出によって温暖化か加速させられているという理論は私も信じている。しかし、人為的なCO2の排出が温暖化の原因とは考えていない。
温暖化によって海水のCO2が放出されているという理論も信じているが、CO2の炭素同位体からの観測ではその傾向が見られないというのも事実である。

東北大学理学研究科大気海洋変動観測研究センターによると、
1990年代の人為起源の二酸化炭素収支に関する現在の知見によりますと、化石燃料消費と熱帯森林の破壊によって年々8.4GtC(化石燃料消費は6.3GtC、森林破壊は2.1GtC)の二酸化炭素が大気に放出され、大気に3.2GtCが残り、海洋に1.7GtCが吸収され、残り3.5GtCの行方が確かでない状態である。
化石燃料からのCO2放出量 > 森林破壊によるCO2放出量
国連食糧農業機関(FAO)の統計によると、
1990年~2005年に全世界の約3.1%の森林面積が消滅したらしい。これに伴うCO2の放出量は、炭素量換算で年間約20~30億トンと言われている。一方、人間活動によるCO2は年間60~70億トン。すなわち、その1の緯度帯毎のCO2濃度上昇や、その2の同位対比に影響を与えるCO2については、その70%程度は化石燃料からの放出である。
というCO2の上昇が人為的に起こっているデーターも無視はしていない。

結局、はっきりと言えることは『CO2が原因で温暖化が起こっていない』という事実だけである。

私は3~5年、または5~10年の周期『当面寒冷化』が続くと予想しているだけであり、根拠は太陽の活動周期である。さっきも言ったが、1990年以降の気温の変動は単純なモデルでは説明できない。よって、この予想も相当確率の悪い予想だと自覚している。温暖化の修正として『成層圏水蒸気の貢献は、地球温暖化の速度の変化を数十年に』の論文が出ているように、これが原因で温暖化が停滞しているだけかもしれない。

いずれにしろ、
我々人類は自然の猛威に対して、自然を変革しようという傲慢な態度を改め、自然にどう協調するかを議論するべきである。
温暖化対策は必要であるが、CO2を本気で削減しようなどというのは傲慢な行為であることに気づくべきである。
自然破壊を減少させ、如何に自然と協調する社会を構築するかを中心とした議論をできる日がくることを私は望んでいる。
(化石燃料より循環燃料を選択するもの、自然との協調だと私は考えている。)
---------○---------
(参考サイト)

地球寒冷化の影響で関東40年ぶりの4月雪
http://donnat.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/post-f143.html#comment-80432579

第3回 「地球は当面寒冷化」ってホント? (2009年4月23日)
http://www.cger.nies.go.jp/person/emori/files/nikkei/ecolomycolumn_3.htm

地球温暖化:その科学的真実を問う
http://www.jser.gr.jp/activity/e-mail/2009.3/09.03honbun.pdf

新生NKH放送  ICCC報告-1 武田邦彦
http://takedanet.com/2010/08/post_7268.html

気候変動の経済学
http://www-iam.nies.go.jp/aim/stern/SternReviewES(JP).pdf

太平洋10年規模振動の典型的な冬の海面温度(ワシントン大学ホームページ)
http://jisao.washington.edu/pdo/

平成20(2008)年の世界と日本の年平均気温について
http://www.jma.go.jp/jma/press/0902/03b/world2008.pdf

気象庁ホームページ
http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/temp/index.html

パンフレット「STOP THE 温暖化 2008」
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/stop2008/IPCC第4次評価報告書
http://www.env.go.jp/earth/ipcc/4th/ar4syr.pdf

国立環境研究所
http://www.cger.nies.go.jp/ja/index.html

途上国の義務」の議論で不足する科学的知見
http://premium.nikkeibp.co.jp/em/column/yamaguchi/33/index.shtml

地球温暖化論のウソとワナ
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/6fbd1d3a0759bd65df11dc4a2d11ea5e

朝生 地球温暖化は嘘か本当か
http://hen.kooss.com/archive/2009/0829001.html

地球温暖化のウソってホント!? ~武田邦彦教授 タメになる「科学の話」
http://c3plamo.slyip.com/blog/archives/2010/06/post_1780.html

第1回 人為起源CO2温暖化説は「正しい」か? (2009年2月9日)
http://www.cger.nies.go.jp/person/emori/files/nikkei/ecolomycolumn_1.htm

第2回 温暖化対策目標は「科学的に」決まるか? (2009年3月19日)
http://www.cger.nies.go.jp/person/emori/files/nikkei/ecolomycolumn_2.htm

第4回 太陽活動が弱くなっている?――温暖化への影響は (2009年5月27日)
http://www.cger.nies.go.jp/person/emori/files/nikkei/ecolomycolumn_4.htm

第5回 新しい温暖化予測計算が始動!天気予報との関係は? (2009年7月23日)
http://www.cger.nies.go.jp/person/emori/files/nikkei/ecolomycolumn_5.htm

第6回 ラクイラ・サミットで世界は「2℃」に合意した? (2009年9月3日)
http://www.cger.nies.go.jp/person/emori/files/nikkei/ecolomycolumn_6.htm

第7回 「朝まで生テレビ!」の「温暖化 vs 寒冷化」討論 (2009年10月26日)
http://www.cger.nies.go.jp/person/emori/files/nikkei/ecolomycolumn_7.htm

第8回 過去1000年の気温変動の虚実 (2009年11月27日)
http://www.cger.nies.go.jp/person/emori/files/nikkei/ecolomycolumn_8.htm

第9回 「クライメートゲート事件」続報・科学にとって「査読」とは何か(2009年12月28日)
http://www.cger.nies.go.jp/person/emori/files/nikkei/ecolomycolumn_9.htm

第10回 IPCCへのさらなる疑問について・ヒマラヤ氷河問題とクライメートゲート続々報 (2010年1月27日)
http://www.cger.nies.go.jp/person/emori/files/nikkei/ecolomycolumn_10.htm

第11回 温暖化はやはり減速中?――原因は水蒸気か自然変動か (2010年3月1日)
http://www.cger.nies.go.jp/person/emori/files/nikkei/ecolomycolumn_11.htm

第12回 温暖化イメージ戦争の時代を生きる (2010年3月18日)
http://www.cger.nies.go.jp/person/emori/files/nikkei/ecolomycolumn_12.htm

成層圏水蒸気の貢献は、地球温暖化の速度の変化を数十年に
http://www.sciencemag.org/content/327/5970/1219.abstract

二酸化炭素と温度の変化
http://www.epa.gov/climatechange/science/pastcc_fig1.html

過去250年間の大気中二酸化炭素濃度の増加の様子
http://tgr.geophys.tohoku.ac.jp/index.php?option=com_content&task=view&id=16&Itemid=33

地球温暖化バブル
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/86511d76663734ad5d6057b791fc3cf91980年以来、大気中の二酸化炭素の上昇率の経年極端な-nature-
http://www.nature.com/nature/journal/v375/n6533/abs/375666a0.html

太陽フレア予報の鍵は、ねじれる磁場
http://www.astroarts.co.jp/news/2010/01/26solar-flare/index-j.shtml

海洋と大気の二酸化炭素の交換とは?
http://www-cger.nies.go.jp/qa/3/3-1/qa_3-1-j.html

地球寒冷化
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%90%83%E5%AF%92%E5%86%B7%E5%8C%96

CO2の炭素同位体
http://tgr.geophys.tohoku.ac.jp/index.php?option=com_content&task=view&id=22&Itemid=40

南極氷床コア
http://rikanet2.jst.go.jp/contents/cp0190/exp/ex15.html

地球温暖化めぐる歪曲と暗闘
http://tanakanews.com/091202warming.htm

最後に、国立環境研究所の江守正多氏は良心的な科学者だと思っております。私とは意見が違いますが、中に示されているデーターはしっかりと参考にさせて頂きました。
私の参考データーはニュートンやサイエンスなどの過去の科学雑誌が主ですが、最新データーはネットを使っております。英語の勉強もしておりますが、早く原文で読めるようになりたいものです。論文の基本は英語ですからね!
江守正多氏も言っていますが、如何に中立的な立場にいられるか?
『坊主憎けりゃ袈裟まで憎い』とならないように気をつけないといけませんね。反省、反省、反省!!!

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