老人が日本を食い尽くす(2)
自動車を運転していると、方向指示ランプを付けずに蛇行する若者。
「これだから最近の若者は」
と叫んでいたのは10年ほど前ではないだろうか?
道を譲っても礼をしない女性ドライバー、道が混んでいるところに駐車するオバサンドライバー。
これはもう無敵であった。
しかし、それらの不快よりもっと不快なことが最近多発している。
それは暴走老人である。
方向指示ランプを付けずに差行するのは当然、道を占有して歩行、列の追い越し、昼間からの酒である。
本来、社会の規範となる老人が、一世代前に若人のようなことをして徘徊している。
しかたないのかもしれない。
社会の規範に象徴である政治家の老人達も、どうみても社会の秩序や常識を守っているとは思えない。
老人は国の宝なのか、お荷物なのか???
日本の人口1億2748万人の内、65歳以上が2911万人である。
その2911万人の内、無職の世帯は世帯全体の64.0%である。
その世帯の平成10年の実収入をみると、1世帯当たり1か月平均260,830円となっており、
内訳をみると、公的年金などの社会保障給付(218,627円)が実収入の83.8%を占めている。
つまり、65歳以上の半数が何の職にも付かず、食っちゃ寝しているのである。
精神的にも肉体的にも、おおよそ良いということはないだろう。
さて、歴史を振り返って、年金で暮らしていけるようになったののはいつからだろうか?
日本の年金制度は1954年に厚生年金が、7年遅れて1961年には会社に勤めていない人でも年金がもらえる制度、つまり国民年金制度が発足しています。
しかし、その金利は大したものでなく、せっかく貯めた年金も物価の上昇で意味をなさなくなっていくことが判ったのは、制度ができてから10年目の最初の支給が始まってからでした。
制度ができて12年目、1966年に「物価スライド、賃金スライド」制に変更され、その後に幾度となく改正されました。
よく言われる加入者負担式になったのはこの頃です。支払った額では十分な年金になりません。
そこで実際に働いている加入者の年金を当てがってゆく。
しかし、これには大原則があります。
加入者は年々増加すること。物価はかならず上昇していること。人工減少、デフレは考慮されていません。
しかし、当時の年金は強制加入ではなかったので、全員支給ではありません。
1990年の60歳以上の方が2200万人、年金をもらった方はその半分の1100万人です。
1990年と言えば、今から20年前。
わずか、20年前には年金受給者は老人の半数だけあり、さらに年金無職もさらに半数です。
さて、その1990年の保険料がいくらかというと、8,000円です。
毎月8,000円払って、毎月260,830円を受け取っている訳です。
年利10%の金利を払ってもそんな額にはなりません。ですから、一部の学者が金利を払って全額返金すれば、年金問題はすべて解決するというのも頷けます。
さて、少し長期で物事を考えてみましょう。
日本の人口1億2748万人、65歳以上が2911万人です。これからの10年で1854万人が増加しますが、同じ10年で新たに生まれる子供は約1000万人です。
単純に考えても、854万人の労働者が減少する訳です。さらに、医療の発展で寿命が延びてゆけば、その年金と社会保障給付金は増額されてゆきます。
平成21年10月、国立社会保障・人口問題研究所から平成19年度の社会保障給付費の統計結果が発表では、91兆4305億円で過去最高を更新しました。国の税収が2009年度で38・7兆円ですからその額如何に大きな額であるかはお判り頂けます。
単純に考えれば、国の財政が社会保障費によって破綻することは明らかです。
今年度の参議院選において菅直人総理大臣が消費税の増税分を社会保障費にあてるような明言をされましたが、増え続ける社会保障費の額を考えると消費税5%増額で賄えるものではありません。また、今後5年の保障になったとしても経済の衰退を考えると、とても正しい経済政策とは思われません。感のいい方ならそろそろ差しいているかもしれませんが、社会保障のあり方を考え直すことが大切なのです。
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