温室効果ガス25%削減は、英断か?愚断か?
この問題を非難される方が多い。しかし、コインの裏表ではないのだろうか、自民党の試算を元に非難するものどうかと思う。
要するに、大枠を述べたのみで内容は語られていない。
1年経っても内容がでないときは非難させてもらうが、今は語るときではない。
温室効果ガス25%削減は、英断か?愚断か?
結論から言えば、
英断にも、愚断にもなる。
たとえば、日本のすべての屋根に太陽パネルを設置するとすると、5,171万世帯(2007年度)×200万円=103兆円の売り上げが見込まれる。工業などを含めると300兆円規模の内需が期待できる。問題は家庭にそれを負担する能力がないことである。元東京大学総長の小宮山宏氏が述べている『自立国債』などの政策が必要ではあるがそれを行えば、景気刺激策としても十分過ぎる。
問題はこだしにして好機を逃すことだけである。また、批判的な企業も対策を打ち出せば、賞賛に変わると推測する。
エコカーにも同じシステムで換金できるようにすればよい。
さらに、新技術への助成金を増額し、その分野でのトップシェアを狙うならば、鳩山由紀夫氏は後世に名を残す総理となるだろう。
一方、従来型の方法で25%の削減を要求した場合は最悪である。
自民党の試算が正しいかは別にして、すべての業種、家庭の負担は耐えがたいものになり、国際公約を守る為に増税してでも執行することに追い詰められる。そして、不足分を海外から買って補うという最悪のパターンが待っている。
大手の大企業は軒並み海外への拠点を移すことになり、日本の空洞化は止まらなくなるだろう。財産を食いつぶした後に待つのは崩壊だけである。
亡国『日本』を作った責任は拭えないだろう。
いずれにしても、
これからの数年は大きなターニングポイントである。
そして、鳩山由紀夫の手腕もこれからである。
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(参考)
鳩山代表「25%減」明言 温室効果ガス 国連会合で表明へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090908-00000083-san-pol
9月8日7時57分
民主党の鳩山由紀夫代表は7日、2020(平成32)年の日本の温室効果ガス排出削減の中期目標について、「1990(平成2)年比で25%削減を目指す」と明言した。東京都内で開かれた地球温暖化に関するシンポジウムの講演での発言。
麻生太郎首相が打ち出している05年比15%削減(90年比8%削減)を大幅に上回ることになり、負担増加を迫られる産業界などの強い反発が予想される。
◇
鳩山代表は首相指名後の22日に米・ニューヨークで開かれる国連気候変動首脳級会合にも自ら出席し、25%削減目標を表明する方針を明らかにした。
ただ、日本だけが削減目標を掲げても気候変動をやめることができないとし、「すべての主要国が参加しての意欲的目標の合意が、わが国の国際社会への約束の前提」と、目標設定の条件にも言及。その上で「すべての主要国に意欲的な目標の設定を強く呼びかける」と、京都議定書に加わっていない米国などへの働きかけを含め、国際的なリーダーシップを発揮したい考えを示した。
また途上国については、「国別の削減目標」を掲げてもらい、先進国が資金や技術的な支援を行う仕組みを、政権発足後に「鳩山イニシアチブ」としてまとめることを明らかにした。
民主党は衆院選のマニフェスト(政権公約)で、「企業間で排出枠を売買する排出量取引制度」「地球温暖化対策税(環境税)の導入」-などを掲げた。鳩山代表は「政治の意思としてあらゆる政策を総動員して排出削減の実現を目指していく」と語った。
◇
鳩山代表の発言に関し、外務省の藪中三十二(やぶなか・みとじ)事務次官は「衆院選マニフェストに掲げたことを世界に発信されたと理解している」と述べ、鳩山新政権の国際公約になったとの認識を示した。
温室ガス25%減に産業界猛反発
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090908-00000509-san-soci
9月8日1時39分
民主党の鳩山由紀夫代表が7日の講演で、2020(平成32)年の日本の温室効果ガス(CO2)について1990年比で25%削減を目指すことを明言したことに対し、産業界から反発の声が相次いだ。目標達成には生産活動の抑制を迫られるだけでなく、国民負担の増大で消費の冷え込みも心配されるためだ。鳩山代表は首相就任後に出席する国連気候変動首脳級会合で25%削減目標を表明する意向を示したが、産業界は、「国際公約になることは避けるべきだ」と危機感を強めている。
「国際的な公平性、国民負担レベルの妥当性、実現可能性を精査し、国民と産業界の理解を得た上で国際交渉に臨むことを切望する」。鳩山代表の講演を受け、日本鉄鋼連盟の宗岡正二会長(新日本製鉄社長)はこうコメントした。
民主党がマニフェスト(政権公約)に盛り込んだCO2削減目標は企業や国民に負担を負わせ、経済成長を下押ししかねないとして産業界は翻意を促す考えだったが、この日の発言はこうした意向を突っぱねた形だ。今後の国際交渉でも足かせになりかねないだけに、産業界は焦燥感を強めている。
25%削減という目標について化学大手の幹部は「信じがたい数字だ。日本だけが突出した目標を示すのでは欧米や新興国メーカーとの国際競争が激化する中、国内メーカーは生き残れない」と悲鳴を上げた。
目標実現のため、民主党はエコカーや省エネ家電の普及を後押しする方針で、自動車や電機業界にとっては一定の追い風を期待できる面もなくはない。ただ、自動車や電機業界からも、「素直に『うん』といえるような目標ではない」(大手自動車会社)、「経済活動にいろいろ制約が出てくる」(日立製作所)、「もっと国民に対する説明がほしい」(コマツ)といった声が噴出した。
経済産業省の望月晴文事務次官は7日の記者会見で「国民、経済にとって非常に厳しい道を選ぶという覚悟が必要だ」と指摘したうえで、鳩山代表が国際公約の前提としてすべての主要国の合意を挙げたことには「大変重要だ」と賛意を示した。
民主の温暖化対策好感 欧州
http://backnumber.dailynews.yahoo.co.jp/?m=640743&e=heat_trapping_gas_reduction
9月6日14時14分
【パリ時事】民主党が地球温暖化対策で「温室効果ガスを2020年までに1990年比25%削減する」という中期目標をマニフェスト(政権公約)に掲げたことが、欧州で好感されている。日本の野心的な目標設定は最大の排出国の米国も刺激し、交渉に弾みがつくと期待されるためだ。
「公約が守られるなら、大変な吉報になる。この分野で日本はリーダーの地位を得るだろう」。温暖化対策の次期枠組み(ポスト京都議定書)を決める12月の気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)開催国デンマークのヘデゴー気候変動・エネルギー相は衆院選後、民主党の姿勢を手放しでたたえる声明を出した。
欧州連合(EU)首脳会議は昨年末、「温室効果ガスの90年比20~30%削減」の中期目標で合意。他の先進諸国にも後に続くよう促した。しかし今年6月に発表された日本の中期目標は05年比15%減、米法案も同17%減。90年比では、日本の目標は8%減にとどまっていた。
これに対し民主党は「対米協調」から一歩抜け出し、欧州に近い目標を打ち出した。EU議長国スウェーデンのカールグレン環境相は、難航中の交渉打開につながり得ると歓迎し、米国にも「さらに野心的な削減目標を望む」と訴えた。
民主党の鳩山由紀夫代表は首相就任後の22日、ニューヨークで開かれる国連の気候変動ハイレベル会合に出席する見込み。公約通りの削減目標を打ち出すかどうかが注目されそうだ。サルコジ仏大統領は鳩山氏への書簡で「気候変動など国際的な課題で、共通の目標を掲げたい」と呼び掛けている。
温室効果ガスとは
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc%2Fscience%2Fheat_trapping_gas_reduction%2F#backToPagetop
二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、ハロルドフルオロカーボン類(HFC)、バーフルオロカーボン類(PFC)、六フッ化硫黄(SF6)といった地球温暖化の原因となる物質で、産業革命以降、特に20世紀に入ってから急速に増加している。
地球温暖化が問題とされ始めてから、悪役のイメージを植え付けられてしまったのが温室効果ガス。しかし元々は、地表に吸収された太陽光が熱となって放射されるとき、温室ガスがこの熱を吸収しその一部を再び下向きに放射、地表や大気を過熱するというメカニズムがあってこそ、地球の平均気温は保たれ、生物は繁栄できた。
日本の現状
地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスについて、日本政府は「20年までに05年比15%(90年比8%)削減」という中期目標と、「50年までに現状比60~80%削減」という長期目標を打ち出している。2009年12月に合意をめざすポスト京都議定書では、先進国の中期目標が焦点になる。
温室効果ガス排出量分析 - 省エネ法で報告が義務付けられている事業所のエネルギー使用量について情報公開請求を行い、開示された情報を分析。気候ネットワーク
待ったなしの地球温暖化問題 - 1990年度から2006年度にかけて、CO2排出量は増えている。チーム・マイナス6%
温暖化防止には一世帯で105万円かかる? - 2009年3月17日の経団連の意見広告に対する反論。WWFジャパン
麻生首相は2020(平成32)年までの日本の温室効果ガス排出削減の中期目標を05(17)年比15%減とすると表明。
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