腐敗する日本(2)
日本が腐敗した原因は大きく3つあると考えています。
もちろん、細かく観察すれば、多々あることは明確です。しかし、その根幹は3つだと考えていると言っているのです。
1つ目は教育です。これは60年間のツケが今の日本の腐敗の原因です。
これはまた後で語りたいと考えております。
2つ目は行政区分です。監督省庁、既得権益がその要因です。
3つ目は行政システムです。
これでは官僚が日本を腐敗させていると言っているようではないか?
その通りです。
日本を腐敗されているのは官僚そのものなのです。甘い蜜がそこにあるので多くの亡者がよってきます。それを監視するべき政治家までよって来てはもう機能しません。
また、行政がなければ、経済の発展は市場経済に移行し、大きく発展できます。しかし、その発展には限界あり、弱肉強食によって貧富の差が大きくなり、いずれは崩壊します。
逆に、管理される市場経済が弱体し、活気とでもいうべき競争力を失い経済が破綻します。
それを管理し、バランスをとるのが行政の行う仕事なのです。
市場経済の邪魔をしないように、アンバランスに対してのみ力を酷使する。これがあるべき姿と考えております。
さて、振り返って見れば、日本はどうでしょうか?
行政区分が存在し、問題があるたびに拡大するばかりです。
病院の患者に例えるなら、
怪我をして入院したら最後、退院されてもらえなくなった。
最近の例、暫定ガソリン税です。一度手に入れたものは離さない。
グリコ事件などで食品の安全基準に検査権を持つと、食品安全監視の公団を作り、天下り先にする。しかし、企業の安全性が確保されたのちも存続し続けます。
住宅公団などもそうです。
必要なものを構築し、不必要になれば解体する。これを怠れば、がん細胞のように増殖し、遂には機能自身に悪影響がでくる。それが今の日本なのです。
3つ目の行政システムは、単純に言えば、減点方式の悪影響です。
ロサンゼル五輪を記憶されている方は覚えているでしょうか?
最高得点の10点満点が連発しました。
最高の演技を見られたと誤解される方もいますが、C難度の技とD難度の技の得点が同じ為により完成度の高い技が求められた大会でした。
より難しい技をするより、簡単な技で満点を取ることのできる大会でした。
結果として、大技がなくなり、見ているものががっかりする結果となりました。向上力が失われ、完成度のみを追求することの危険性を指摘した大会でした。
現在は、より高度な技には加点ということで10点を越える得点になっております。向上心が復活し、完成度と大技の組み合わせが重要になっております。
日本の行政が古来より減点方式でした。ただ、経済復興の際は政治家が大鉈を振っていたのでその欠点が補われおりました。
今はその政治家がいなくなり、官僚におんぶにだっこの状態です。
減点方式ですから、多くの官僚は行サービスという認識がありません。お上意識が存在するだけです。
より市民や地域にサービスをしても加点されることはありません。行政の不備を指摘して、改革しても加点されることはありません。
結果として、既存のことを継続し、失敗しないことを求められます。
これが行政システムの欠陥です。
そして、上の行政区分の拡大とあいまって、既存の作業を継続し、より多くの権益・予算を得たものが優秀であると考えるようになったのです。
彼らに予算を縮小するという意識はありません。
評価の過程を変えない限り、現状打破は難しいでしょう。
現在の近道は?
渡辺大臣が提出している行革法案を通過させることです。
まだまだ不備はあり、物足りないものですが、官僚の人事権を政治家が握ることは重要です。
行政区分の廃止と行政の減点方式の廃止を主張する者を高い地位に付けることできっかけを作ることができると考えております。
廃案にならないことだけを祈っております。
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